このページでは『ニッポンノワール 刑事Yの反乱』第7話のあらすじ(ネタバレ注意)や感想について紹介しています。
『ニッポンノワール 刑事Yの反乱』は、2019年10月13日スタートの日本テレビ系列のドラマです。
目が覚めると俺の横には女性刑事の亡骸が。俺がコイツを殺したのか。それとも何者かにハメられたのか。かつての仲間は一夜にして敵に。相棒は亡き女性刑事の一人息子ただ一人。一人の刑事が巨悪に反乱を起こす、予想を覆し続ける規格外の刑事ドラマ。
【キャスト】
遊佐清春(賀来賢人)/才門要(井浦新)/南武修介(北村一輝)/碓氷薫(広末涼子)/江國光成(杉本哲太)/本城諭(篠井英介)/名越時生(工藤阿須加) 他
『ニッポンノワール 刑事Yの反乱』第7話のあらすじ
実験室に踏み込んできた南武課長をはじめとする面々は、銃がきかないロボットのような青年たちに驚愕した。
必死の抵抗の中、南武は清春に裏口へ行くよう指示。
才門に渡されたUSBを引き抜いた清春はふたたび逃走した。
途中、才門の血濡れのジッポーを拾い、死んだ彼を思う。
USBが引き抜かれたことで、ロボットのような青年たちは糸が切れたように倒れこんだ。
不可解なうちに、脱出する南武たち。
すべての糸は、薫の父、碓氷元警察庁長官が引いている。
実験室は爆破され、克喜は祖父の元へ連れていかれようとしていた。
清春は南武の手引きで潜伏する。
碓氷元警察庁長官が、ニッポンノワールの一員だという薫の記憶がよみがえった。
しかし、才門が死んだいま、うかつに動くのは危険だ。
情報を受け取った南武は、碓氷と面会し、情報を探った。
清春が記憶を取り戻しつつあることを告げ、彼を刺激する。
そして部屋の机に気づかれないよう、盗聴器を仕込んだ。
結果、碓氷はドナーを餌に、江國を取り込んでいることがわかった。
清春は江國を脅し、克喜の行方を追おうとするが、反対にニッポンノワールのロゴを見せられて昏倒してしまう。
そして、ついに碓氷と対面することになる。
碓氷は清春に、人体実験の秘密を語った。
この実験は、人格矯正プログラムだ。
被験者の脳に働きかけ、記憶の消去と改ざんを行なうものだ。
つまり、人格をまるごと作り変えてしまうのである。
克喜はもともと、手が付けられない問題児だった。
不登校で家にこもり、暴れ、母親に反抗する。
薫は何度となく対話を試み、息子を理解しようとしたが、ある日手をあげてしまった。
平手打ちされた克喜は、包丁を手に薫に向かって「殺す」とつぶやいた。
薫の心は折れ、克喜を実家に預けて2週間の出張に出てしまう。
その間に克喜の改造が行なわれた。
清春は憤るが、碓氷はさらに驚くべき事実を口にする。
「実験は克喜が望んだことだ」
母親との関係をやりなおしたいと願った克喜は、薫の部屋の調査資料を読み、自ら被験者となることを選んだという。
事実を知った薫は苦悩した。そして悔やんだ。
母親である自分があきらめたから。彼を突き放したから。
ありのままの彼と、これからを生きたかった。それなのに。
「私が克喜を殺したの」
清春は涙する薫の姿を思い出している。
「感情を抑え込もうなんて間違ってる。何度も衝突して乗り越えていくもんじゃねぇのかよ」
碓氷は清春の言葉にうっすらと笑った。
人格改造プログラムの本質は、指導者に従順な若者を作り出すこと。
清春が、いくら父親として克喜と向き合いたいと望んでも、無理なことだ。
遊佐清春は凶悪犯罪者として射殺される運命なのだから。
江國が拳銃をかまえて部屋に入ってきた。
しかし、清春を狙っていた銃口は碓氷へと向けられる。
ほどなく、南武が宮城を連れて登場。
江國は、清春と南武に借りを返すために、碓氷につくフリをしていたという。
会話はすべて録音されている。
これで事件は解決……。
ところが、南武の電話に警視総監から着信が入った。
電話を切った南武は一変。
レコーダーを碓氷に差出し、清春に手錠をかけた。
「射殺命令が出たはずだが?」
「……警視総監には納得してもらいました」
ニッポンノワールの闇は、根深かった。
「俺が必ずあんたを逮捕する!」
宮城の咆哮に、碓氷は笑いながら衝撃の事実を開示した。
「ニッポンノワールの被験者第一号は君だ。君はニッポンノワールが作り出した人間なんだよ」
『ニッポンノワール 刑事Yの反乱』第7話の感想
うわ~、この展開には驚きました。
才門要の死が、あっという間に記憶の彼方に飛び去ってしまうくらいの衝撃。
克喜が人体実験を受けていたということはうすうすわかっていましたし、碓氷元警察庁長官が黒幕だということも予想がつきました。
が、宮城が被験者第一号だとは……!
しかも、あの喫茶店にきた三人組のエピソードがちゃんと本編に関係があったなんて!
喫茶「ボナーロ」に偶然やってきた三人の若者たちは、「魁皇高校立てこもり事件」で宮城刑事に世話になったと懐かしむように口にします。
この「魁皇高校立てこもり事件」とは、2019年1~3月に同枠で放映されたドラマ「3年A組今から皆さんは、人質です」のなかで起こった事件です。
「ニッポンノワール」と「3年A組」は、同じ世界軸の物語だったという設定なわけですね。
ところが、宮城は彼らのことをまったく覚えていません。しかも、当時の宮城とは随分と雰囲気が変わっています。
お互いに「あれ?」という感じでこのエピソードは終了したので、てっきりファンサービスの一環かと思っていました!
「ニッポンノワール」はところどころにコミカルな演出が入り込むので、おそらくこれも日曜ドラマ枠ファンや宮城を演じる細田善彦、3年A組の福原遥、神尾楓珠、堀田真由ファンは喜んだだろうな、などとスルーしていたのです。
それがしっかり本筋とからんでいたとは、本気で驚きました。
しかも、初登場時の「同期でかけたのは覚えてるけど、お前いたか?」という清春のなにげないセリフも伏線だったという徹底ぶり。
う~ん、やられたなという印象です。
最近、1話1話の展開がマンネリ化していたところがあるじゃないですか。
事件が展開する→清春の心境を吐露するセリフのやりとり→フラッシュバックの新事実で終わり、みたいな。
定型パターンのラストに新味が加わって面白かったです。
マンネリ……とは言いましたが、清春を演じる賀来賢人の演技は、やはり見ごたえがあります。
廃屋で、薫の苦しい告白を聞いているときの表情は素晴らしかったですね。
親の愛情に恵まれなかった清春は、薫の克喜への愛を目の当たりにして、無垢な子どものような表情になっています。
清春自身が子どものような気持ちで、薫の母としての愛を浴びたことが、「克喜は俺が守る。俺は克喜の父親だ」という言葉につながったのではないでしょうか。
非行少年や問題行動を起こす青年を人格矯正によって真人間に戻す、といえば聞こえはいいですが、真の狙いは「指導者に従順な操り人形を作ること」であり、その方法が警察権力の手にあるなんて最悪です。
たしかに、暴力的な子どもに手を焼いている親は大勢いるかもしれません。社会的にも、罪を犯す恐れのある青年たちを許容することはできません。
しかし、それを理由に人の感情を奪っていいのか?人格を作り変えてしまったら、それは本人だといえるのか?
倫理観や道徳観、公共の福祉と人権などにかかわる、なかなか深いテーマが語られた回だと思います。
ニッポンノワールの黒幕である碓氷元警察庁長官は、警視総監によって守られました。
つまり、正攻法ではニッポンノワールには手出しができないということになります。
清春も南武の手によってつかまってしまいましたし……。
ここまできたら、宮城の活躍に期待するしかないですね。
あとは、失意のどん底にいる明海かな?
なんといっても刑事ですし、ただ耐えるだけの女だとも思えません。
ドラマに花を添えるだけの存在じゃないぞ、というところをぜひ見せてほしいですね。
次回は、しれっと脱獄している清春が見られることを期待しています。
それまでがんばってくれ!克喜!
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