じゃがいもは、いつでも手に入る身近な野菜です。
和食にも洋食にも使えて、カレーにいたってはその柔らかさが論争になるくらいの存在感があります。
長期保存もできるので、冷蔵庫の野菜室に転がっているご家庭もあるのではないでしょうか。
でも、ついつい長期間放置しておいて、気づいたら芽が出ていたり、カビが生えていたりなんてことはありませんか?
ここでは、そんなじゃがいもトラブルの解消法についてご紹介します。
じゃがいもの芽とカビの対処法とは?
いきなりですが、ジャガイモの芽とカビの対処法をお教えします。
まず、芽が生えていた場合。
芽は必ず取り除いてください。しかも深めにえぐりとるようにしてください。
特に、芽が緑色の場合は周囲にも緑色に変色した部分もあるので、
そこも含めてしっかり切り落としてください。
また、芽が出ていなくても緑色に変色しているのがありましたら、
そこも確実に取り除いてください。
カビが生えていた場合ですが、白いカビが生えているだけで、
じゃがいもがしっかり硬い状態であるなら、カビを取り除いたら食べられます。
じゃがいものような硬い野菜では、
カビが中に入り込みにくいので、深めに切り取れば使用できます。
ただし、柔らかくなっていたら
カビが中まで入り込んでいる可能性が高いので、捨ててください。
また、切ってみて濁ったようなどろっとした汁が
出てくるようであれば腐っています。
注意点としては、カビているじゃがいもが
一つだけで他のじゃがいもはなんともなくても、
カビの胞子は付着していると思われます。
白くなくても、深めに皮をむくようにしてください。
じゃがいもにできる芽&カビのメカニズムとは?
じゃがいもの芽やカビに対しては、取り除けば
使用できることはわかっていただけたかと思いますが、
どうして芽が出たりカビが生えたりするのでしょうか?
じゃがいもには休眠期というものがあります。
種類によって期間は違いますが、だいたい収穫してから3ヶ月くらいです。
この期間を過ぎて、湿度が高い場所や気温10〜20度の場所、
明るい場所などの条件が揃うと芽が出てきます。
冷蔵庫だとこの条件が揃わないので、冷蔵保存は芽が出にくいと言えます。
ただし、冷蔵庫で保存すると乾燥してしなびやすいというデメリットもあります。
じゃがいもが傷みやすくなってしまうので、早めの調理を心がけたいものです。
では、カビはどうして生えるのでしょうか?
一つには、乾燥が不十分であったことが考えられます。
じゃがいもは、収穫後に風通しの良い場所で
1週間ほど乾燥させてから出荷されます。
というのも、じゃがいもの栄養素はデンプンが大半で、
いったんカビてしまうと、じゃがいもを栄養として
カビがどんどん成長してしまいます。
湿気っていると空気中のカビが付着しやすくなり、
しかも生育しやすくなるのです。
じゃがいもにとって、湿気は大敵です。
ですので、うっかりじゃがいもを濡らしたまま放置してしまうとカビが生えます。
しっかりと乾燥させてから保存してください。
じゃがいもの芽やカビを食べるとどうなる?
では、じゃがいもの芽やカビを食べたらどうなってしまうのでしょうか。
じゃがいもの芽を取り除くことは、小学校の家庭科でもしっかり教えられます。
この時にじゃがいもの芽には「ソラニン」が
含まれているという話も耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この「ソラニン」は、じゃがいもにとっては成長するためには必要ですが、
人間にとっては有毒です。
ソラニンが増えるとじゃがいもは緑色に変色していきますが、
発芽して間もない小さな芽にもソラニンは含まれています。
食べると
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- めまい
- 頭痛
などの中毒症状が現れます。
量が多すぎると、死ぬ可能性もあります。
報道などでもじゃがいもの食中毒がありますが、
これは「自分たちで栽培したじゃがいも」を
「皮付きのまま」調理したケースが多いです。
芽だけではなく皮にもソラニンは含まれますし、
調理によって減ることはないということです。
じゃがいもを皮付きで食べたい場合は、
プロの農家が栽培したものを使用するようにしてください。
次にじゃがいもについていたカビを食べた場合ですが、
体の免疫がちゃんと機能しているのであれば、
カビを食べても、ソラニンを食べたような強い中毒症状が出ることはありません。
少量であれば胃酸でカビ、あるいはカビは死滅してしまうからです。
嘔気や嘔吐はカビの味によるものが多いですが、
腹痛などの症状が長引く場合は、
カビ以外の細菌やウイルスが引き起こした症状であることが多いです。
しかし、時にはカビに対するアレルギー症状である可能性もあります。
この場合は人によっては呼吸器症状も出てくると思われますので、
アレルギー体質の人は、特に侮らないようにしましょう。
また、「カビくらい大丈夫」と思って、長
期間にたくさんカビを食べ続けていると、
肝障害や腎障害を引き起こすこともあります。
ブルーチーズなどの特殊な場合を除いては、
生えないはずの食品に生えたカビは食べないようにしましょう。
じゃがいもの芽やカビの対処法:さいごに
じゃがいもの芽やカビに対する対処法と、どうなるのかをお教えしました。
じゃがいもに関しては、変な部分はしっかり取り除けば使えます。
今までまるごと捨てていてもったいないな、と思っていた人は参考にしてください。