2015年に小説「サラバ!」で直木賞を受賞した西加奈子さん。
小説家というミステリアスな職業のため、プライベートな部分はあまり知られていません。
今回はそんな西加奈子さんの結婚についての話題や夫のこと、家族のこと。
そしておすすめ小説を合わせてご紹介していきたいと思います。
目次
西加奈子は結婚してるの?
西加奈子さんは、2012年に当時お付き合いをしていた男性と結婚し、ハワイで挙式をあげました。
詳しい内容は明かされていませんが、西加奈子さんの小説「ふくわらい」の中に、結婚を決めたときの気持ちが書かれている……と言われています。
ちなみに小説「ふくわらい」の主なあらすじは以下のとおり。
主人公は「鳴木戸定(なるきどさだ)」。
どうやらマルキ・ド・サドからきているようです。
この定は、幼い頃の経験から他人の感情が分からず、大人になった今も感情の起伏がありません。
そんな定が本の編集という仕事を通し、後輩のしずくやプロレスラー&作家の守口など、さまざまな人物と出会い変化していきます。
そして小説内には、この定に恋をする男性「武智次郎」が現れ、盲目というキャラクターながら、定に “一目惚れ” をするのでした。
これを聞いたしずくは武智の本心をさぐるため会いに行き、このような会話がなされます。
「目が見えませんが一目惚れです」
「定さんの何を知っているんだ」
「知るってなんだろう。見る、という情報が絶たれている僕は、自分で自分の “知る” を決めるしかない」
この言葉を受け、主人公である定は徐々にこのような気持ちになっていきます。
「顔とは何か。その人たらしめているものは、何なのでしょうか」
「顔は体とつながっている。すべて自分のもの」
「しずくの“すべて”がどんどん拡大してゆく。点でしかなかったしずくが、線になり、面になるのだ」
「私の中の守口さんの“すべて”が、広がる」
武智は定に「見えなくても定さんは美人だ」と断言します。
それ以外にもさまざまなやり取りがモチロンあるので、上記の部分が結婚相手とのことを書いた部分とは断言できません。
しかしこの小説を通して主人公が「顔」や「体」のような容れ物が全てなのではなく、その内側にたくさんのことが詰まっているから人は形成されている、と徐々に実感していく様が描かれています。
そういった目に見えない部分を見てくれる人に出会って結婚した?と言うことかもしれませんね。
西加奈子の夫は誰?子供はいるの?
西加奈子さんの夫は雑誌の編集者と言われています。
しかし一般の方のため、名前や画像などを発見することはできませんでした。
ちなみにテレビやインタビューで西加奈子さんが夫のことを話す際は、以下のような表現をされています。
「すこやかな人です」
「シンプルにこの人とずっと一緒にいたいと思った」
「どこがいいかわからんけどなんか好き」
西加奈子さんご自身のサバサバっとした印象とマッチした表現ですね!
また、お子さんは1人。2017年に出産されています。
性別は、真宗会館のインタビューでお子さんのことを「彼」と表現している箇所があったので、男の子ではないかな?と思いました。
西加奈子の家族の話や簡単なプロフィール!
では次に、西加奈子さんの家族のことや簡単なプロフィールをご紹介していきますね!
生年月日:1977年5月7日
出生地:イラン・テヘラン
出身地:大阪府和泉市
西加奈子さんは、父親の仕事の関係でイランのテヘランで生まれました。
滞在は1歳半・2歳ごろまでで、1979年にイスラム革命が起こり、一時日本へ帰国しています。
その後また父の仕事の関係でエジプトへと移動し、エジプトでは7歳から11歳まで過ごしました。
場所はカイロ市のザマレク。
街の中には大使館もあり、駐在員が住むエリアだったためエジプトの中でもかなり裕福な場所だったそうです。
12歳以降は日本へ帰国。
その後は父のみが単身赴任をする形で母・兄・西加奈子さんは大阪で暮らしていました。
父は駐在員として単身赴任も多く、西加奈子さんとあまり一緒に過ごす時間がなかったそうで、娘である西加奈子さんのことも「あなた」と呼んでいたそうです。
しかしそれは突き放すような意味ではなく、西加奈子さんを子供だと殊更思わずに1人の人間として肯定していたからに過ぎません。
2018年の FRaU のインタビューでは、父親のことをこのように話しています。
“好きに生きなさい” と、つねに自立を第一に考えていた。“あなたが産んでくれと頼んだわけではない。お父さんお母さんが勝手に産んだのだから” いつもそう言ってくれました。そういう意味では、子育ては欧米的な考えに近いかもしれませんね。
また母親も同じような考えの女性だったとわかるエピソードが、同じく FRaU のインタビューの中に。
最近西さんは、娘が髪を染めてドレッドにして朝帰りしていた頃、なぜ他の人のように心配をしなかったのか? と母に聞いたそうだ。母の答えは明解だった。「加奈子の中身が変わらなかったから」
母親は今でも悲しいことがあれば本気で泣き、子供のようによく笑っているそうです。
西加奈子さんもメディアに出る時にはいつも笑顔の印象がありますし、母親の影響を受けているのかもしれませんね。
西加奈子のおすすめ小説
では最後に西加奈子さんのオススメ小説をピックアップしてご紹介いたします。
1冊目「サラバ!」
あらすじ
僕はこの世界に左足から登場したー。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
こちらは直木賞受賞となった作品です。
上下2巻(単行本)に別れるボリュームながら一気に読ませるストーリーとなっており、1人の青年の半生を綴る大作となっています。
西加奈子さんと同じくテヘラン生まれで大阪育った青年が、どのように表現されているのか?この辺りも見所の一つとなっています。
2冊目「漁港の肉子ちゃん」
あらすじ
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るいーキクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。
大阪出身の西加奈子さん節全開のコミカルさ!
しかしコミカルなだけでなく、母娘のあり方にジンときてしまう瞬間もある作品です。
3冊目「円卓」
あらすじ
公団住宅で三つ子の姉と、両親、祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学三年生。こっこの日常は、不満と問題と驚きと発見に満ちている。世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を、活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。光溢れる感動傑作。
ちょっと捻くれた女の子が主人公ですが、登場する子供達のみずみずしく多様な描写や、思わず笑ってしまうやり取りが秀逸。
西加奈子さんが子供と同じ目線で書いた、と感じられる作品に仕上がっています。
4冊目「i」
あらすじ
「この世界にアイは存在しません」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ「え、」と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまでは―。「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ。直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編
世界で起きている恐ろしいことを改めて見つめ直し、自分のルーツやアイデンティティを獲得していく主人公。
青春小説でもあり、恋愛小説でもあります。
▼おすすめ記事
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5冊目「さくら」
あらすじ
両親、三兄弟の家族に、 見つけてきたときに尻尾に 桜の花びらをつけていたことから 「サクラ」となづけられた犬が一匹。 どこにでもいそうな家族に、大きな出来事が起こる。 そして一家の愛犬・サクラが倒れた…。
2020年に北村匠海さん、小松菜奈さん、吉沢亮さんが三兄弟として共演する映画「さくら」が公開されます。
映画を見る前に原作を呼んでおくのも面白かもしれません。
「西加奈子の結婚や夫、家族のことやおすすめ小説」まとめ
今回は作家の西加奈子さんについてご紹介してきました。
- 西加奈子さんは2012年に結婚
- 夫は雑誌の編集者
- 家族は父親が元メーカーの駐在員で母親は明るくよく笑う人
- おすすめ小説を5冊ご紹介
2020年にはデビュー作「さくら」の映画も公開され、ますます注目のあつまる西加奈子さん。
ここ数年2年ごとに作品を発表されているので、「おまじない」が発表された2018年から2年たった今年、新作が出るのか?楽しみに待ちたいですね。
期待しています!