日本人のおよそ5人に1人が「夜寝付けない」「夜に何度も起きてしまう」「寝た気になれない」などの不眠症状に悩んでいるとされています。
睡眠に問題があると、体と脳が休まらず健康を害するため、早急に対策をとらなくてはなりません。
改善の第一歩は不眠の原因知ること。
自分自身の不眠や不眠症の原因を知り、改善策をとっていきましょう。
目次
〜不眠症の原因〜
不安や緊張、焦りなどの精神的ストレス
不眠症となる原因の多くは精神的ストレスからくるものです。
日頃生活していく中でストレスを感じるのは誰でもありますが、ストレス耐性が弱く、うまく解消しきれない場合、身体の緊張状態が持続してしまいます。
脳には起きている状態をキープする「覚醒中枢」と、脳を休ませる「睡眠中枢」があり、
質の良い睡眠にはこの二つの中枢のバランスが重要です。
不安や緊張、焦りなどの精神的ストレスによって覚醒中枢が刺激されると、脳が活性化する交感神経が優位になり、目が冴えて眠れなくなってしまいます。
精神的ストレスによる不眠症の改善策
精神的ストレスからくる不眠症の場合、ストレスの原因となっている物事を解消することが重要です。
できるだけストレスをため込まないように、趣味に打ち込む、リラクゼーション効果のあるアロマや音楽などを聴くなど、ストレスを軽減させたり心と体をリラックスさせる行動をとりましょう。
また、運動にはストレスを解消する効果があることが分かっていて、軽い有酸素運動を20~60分、週に数回行うのも効果的です。
適度な運動をすることで体を程よく疲れさせ、良質な睡眠がとりやすくなります。
〜不眠症の原因〜
うつ病などの精神疾患
精神的ストレスとは別に、うつ病などの精神疾患が原因で不眠症となっている場合があります。
精神疾患である場合、脳内物質であるセロトニン(幸せホルモン)の分泌が減少してしまうのが不眠を引き起こす原因です。
セロトニンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの合成に関与しており、セロトニンが不足するとメラトニンを作り出しにくくなり、不眠症状が現れやすくなります。
精神疾患はうつ病の他、不安障害、双極性障害、統合失調症など様々ですが、不眠症を併発しているケースが多く、うつ病治療薬の副作用として不眠が現れる場合もあります。
精神疾患による不眠症の改善策
医療機関による適切な治療が必要です。
投薬による治療の他、カウンセリングや認知行動療法(物事の捉え方・受け取り方の認知のゆがみを解消し、生き方をラクにする)などを併せて行うとより効果的でしょう。
投薬中の薬剤による副作用で不眠が考えられる場合は、医師に相談して薬の変更や減量を検討します。
〜不眠症の原因〜
鼻炎や喘息など体の病気
不眠症は精神的なものだけでなく、体の病気から引き起こされる場合もあります。
例えば、夜寝る前に症状が悪化しやすい喘息や、花粉症などのアレルギー性鼻炎による不快感、痛みを伴う病気、頻尿の病気などは睡眠を妨げる原因です。
これらの持病があると、夜中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」にも陥りやすくなります。
鼻炎や喘息などによる不眠症の改善策
持病の治療が必要で、まずは体の病気を改善・緩和させましょう。
睡眠に支障が出るほどの症状が出ている場合は、必ず医師に相談し、常用している薬の変更等対策をとります。
〜不眠症の原因〜
薬やアルコールやタバコなどの刺激物
投薬中の薬や、アルコールやタバコ、カフェインなどの刺激物も不眠の原因となります。
抗がん剤やステロイドを含む薬剤、あるいは自律神経や中枢神経に働きかける薬剤の副作用で不眠を引き起こす場合があります。
また、お酒やたばこ、コーヒーなどの嗜好品は、脳を覚醒させる交感神経を刺激し、活発にします。
就寝前にお酒やたばこ、コーヒーなどを摂取するのは控えた方が良いでしょう。
寝酒としてアルコールを摂取する人も少なくありませんが、お酒は一時的に寝つきを良くしてくれるものの、飲みすぎると、身体が体内のアルコールを分解するために、眠りを浅くしてしまいます。
夜中に起きてしまう「中途覚醒」や、寝た気になれない「熟睡障害」の症状が現れやすくなるので注意が必要です。
薬や刺激物による不眠症の改善策
薬の副作用によって不眠となる場合、自己判断で薬を中断したり減らしたりすると持病の治療へ影響を与えてしまいます。
必ず掛かりつけの医師に相談するようにしてください。
また、寝る前のアルコール、タバコ、カフェインについては、控えるようにしましょう。
なんとなく口さみしい場合は、眠りの質を高めるハーブティーを飲むのがおすすめです。
〜不眠症の原因〜
生活リズムの乱れ
生活リズムの乱れも、不眠を引き起こす原因となります。
シフト制勤務による昼夜逆転生活や、夜更かしを繰り返す、部屋の中に篭った生活などは、睡眠をコントロールしている体内時計を狂わせてしまいます。
地球上の生物には体内時計が備わっていますが、人間の体内時計にもっとも影響を与えるのが「光」です。
太陽の光は睡眠ホルモンのメラトニン合成を促す効果があり、起床から15~16時間後に分泌され、自然に眠気が起こるようになっているのです。
日頃の習慣により生活リズムが乱れてしまうと、体内時計が狂い、メラトニンの分泌量が減少して、なかなか寝付けない、寝つきが悪いといった状況を引き起こしやすくなります。
生活リズムの乱れによる不眠症の改善策
生活リズムを整えることが不眠症改善に繋がります。
毎朝決まった時間に起床し、起きたらカーテンを開けて日の光を浴びるようにしましょう。
仕事の関係で夜起きていなければならない環境の場合、起きている時はできるだけ明るいところで過ごしましょう。
夜に仕事を終えて明け方に就寝する場合は、朝日を浴びると寝つきが悪くなる可能性があります。
サングラスを着用して太陽光をカットする、遮光カーテンを利用するなどの工夫をしましょう。
〜不眠症の原因〜
生活環境の問題
就寝時の行動や寝室の環境も睡眠に影響を与えます。
就寝前のスマホチェックなどは、スマホから発するブルーライトにより、脳が朝だと誤認して交感神経が活発になって寝つきを悪くする原因になります。
寝室が体感的に不快(騒音がひどい、明るすぎるなど)である場合も良質な睡眠を妨げるので注意が必要です。
生活環境の問題による不眠症の改善策
寝る前にスマホやタブレットなど、強い光をみるのは控えるようにしましょう。
また寝室が自分にとって心地の良い環境であるのかを再チェックしてください。
照明を落とす、室温を調整する、寝具を変えるなど改善できる点を見つけましょう。
騒音がひどいなど自分で解決ができない場合は、引越しを検討した方が良いかもしれません。
「眠れない原因・理由を徹底解説」まとめ
不眠症の原因は多岐に渡ります。
症状を改善するには、原因をしっかりと知る事が最も重要です。
上記の項目で該当する者はないかチェックし、不眠症改善に役立ててみて下さいね。