このページでは『ニッポンノワール 刑事Yの反乱』最終回のあらすじ(ネタバレ注意)や感想について紹介しています。
『ニッポンノワール 刑事Yの反乱』は、2019年10月13日スタートの日本テレビ系列のドラマです。
目が覚めると俺の横には女性刑事の亡骸が。俺がコイツを殺したのか。それとも何者かにハメられたのか。かつての仲間は一夜にして敵に。相棒は亡き女性刑事の一人息子ただ一人。一人の刑事が巨悪に反乱を起こす、予想を覆し続ける規格外の刑事ドラマ。
【キャスト】
遊佐清春(賀来賢人)/才門要(井浦新)/南武修介(北村一輝)/碓氷薫(広末涼子)/江國光成(杉本哲太)/本城諭(篠井英介)/名越時生(工藤阿須加) 他
『ニッポンノワール 刑事Yの反乱』最終回のあらすじ
清春(賀来賢人)と南武(北村一輝)の争いは、ガスマスクの男をあぶりだすための芝居だった。
マスター(笹野高史)の誘導で、すべての記憶が蘇ったのだ。
碓氷薫(広末涼子)を殺したのは、ガスマスクの男だった。
そして清春を犯人に仕立て上げたのだ。
清春は、ただひとつ残されたアルティメットプログラムの薬剤を自身に注射し、山小屋に向かった。
床板をはがし、何かを探しているガスマスクの男と闘う清春は、異常な力を発揮することになる。
そしてとうとう、ガスマスクがはがされた。
「?!」
そこには、死んだはずの才門要(井浦新)がいた。
才門は、恋人である星良(入山法子)の復讐のためにニッポンノワールへ加入したのだ。
しかし、その圧倒的な組織力の前に徐々に牙は抜かれていった。
そんな折、星良の友人でもあった碓氷薫が10億円強奪事件を起こす。
が、その計画も失敗。
最後の手段として清春にすべてを託すという薫の計画を聞き、才門は陰ながら清春を援護する役目を果たすことにした。
「Look at me!」をキーワードに、自分の命令に従うよう、清春に暗示をかけた。
ガスマスクを被り、留置場に入れられた清春を助け出したのも才門だ。
克喜の手術を遅らせるよう、取引を持ちかけたのも。
彼は待っていた。
清春が、克喜とのふれあいのなかで、人間らしい心を手に入れるまで。
薫を殺した犯人、ガスマスクの男は、もうひとりいる。
清春もその正体に気づいていた。
そのとき、突然山小屋に銃声が響いた。
飛び込んできた名越(工藤阿須加)が才門を撃ち殺したのだ。
「え?おれ?間違えちゃいました?てっきり才門さんが……」
いつものようにふざけた物言いで場を取り繕おうとした名越を、清春が一喝する。
「猿芝居はやめろ!」
「なーんだ、せっかくがんばってキャラ作ったのに」
名越の表情は一変した。
「先輩の言う通り、真犯人は僕です」
名越は、アルティメットプログラムを受けて適応した男だった。
彼の目的は、ニッポンノワールそのものを手に入れること。
そのために新薬が必要で、仕方なく清春を生かして泳がせていた。
だが、貴重な新薬は清春が使ってしまった。
もしうまく適応できれば、すさまじい力を手に入れることになり、名越の能力を超えるだろう。
しかし、適応しなければ清春は死ぬ。
名越は清春に襲い掛かってきた。
ふたりが闘う姿を、人質として連れてこられた咲良(夏帆)がカメラで捉えている。
清春に言われた通り、すべてを白日にさらすためにライブ映像として配信しているのだ。
ふたりの死闘が、拡散されていく。
ところが、名越を吹っ飛ばした清春が急に血を吐いて膝をついた。
「適応しなかったんですね~」
清春にとどめをさそうとした名越に、咲良と同じく連れてこられていた克喜が向かってきた。
克喜を助けようと、清春は力を振り絞る。
「警視庁のガンが子どもひとりでこんなに変わるなんてね。そんなに自分の子どもがかわいいですか?」
はじめて知った事実に、克喜の目が見開かれた。
名越は瀕死の清春に殴り倒され、それでも「あなたはもうすぐ死ぬ」とうそぶく。
だが、清春は死を恐れてはいない。
名越のせいで、何人もの仲間たちの死にざまを見てきた。
本庄、喜志、宮城、才門。
「みんな誰かのしあわせを祈って人間らしく生き抜いた!
こんなくそみたいな世界でも、最後の瞬間まで、自分を信じて!貫いて!
死にざまこそが生きざまだった!お前にそんな生き方ができんのかよ!」
だが、清春は耐えられず、地面に倒れこむ。
「お父さん!お父さん!」
克喜のプログラムは無効化しているそうだ。それなのに、彼は自分を律している。
人は変われる。
この世界は、いつでも変えられる。
克喜はそれを教えてくれた。
そしてとうとう、清春は覚醒する。
首筋から顔にかけて、真っ黒な血管が浮き出てきた。
名越はそのまま、尋常ならざる力で殴りとばされ、必死で逃げようとするところを南武に捕獲された。
清春の身体は新薬に耐え、覚醒したあとも元に戻ることができた。
それはひとえに、適合薬を特製ドリンクに混ぜて与えてきたマスターのおかげだ。
「お父さん、かっこよかったです」
「あんな化け物みたいな姿がか」
「僕には、誰よりも強いヒーローに見えました」
10億円は、ボナーロの地下に隠されていた。
実験で犠牲になった遺族に渡すよう、碓氷薫が言い残していたものだ。
動画は削除されたが、どんどん拡散されている。
すべてはこれからだ。
ただ、いまは、克喜の誕生日を祝いたい。
清春と、克喜、咲良の三人で。
ケーキを囲んで、彼らはまるで家族のようだ。
ナイフを取りにいった清春を、ふたりはいつまでも待つだろう。
彼がたったいま、扉の向こうで血を流していることを知らずに。
父親が、愛する男が、背後から襲われて意識を失いつつあることを知らずに。
「笑えねぇ……」
座り込んだ清春の指が、痙攣するように二度動いた。
『ニッポンノワール 刑事Yの反乱』最終回の感想
ああ~、そうだったんだ~。
前回、どうして江國さんを疑ったんでしょうか。
自分のバカさ加減にあきれますね。
いくらなんでも江國さんがあんなに俊敏に動けるわけないじゃないですか、ねえ?
真犯人は、名越!
よく考えたら異常なキャラ立ちでしたものね。
切れたらやばそうな男だったし、初回の言動に不審な点もあったし。
いま思えば……という視聴者も多かったのではないでしょうか?
でも予想通り、才門は生きていましたね!
そして第2のガスマスクの男でした。
ガスマスクの男の言動が矛盾しているように感じたのは、二人いたからだったのです。
これはなかなか斬新なトリックかも。
奇抜な衣装に目が向いて、まさか二人いるとは思いませんでした。
しかし才門は役者ですよね~。
あの地下実験室で死んだのは、演技だったということでしょう?
仮死状態になるクスリを飲んでいたそうですが、血は嘘だったわけだし。
ちょっとモヤモヤはしていましたが、やはりうまくだまされた感じです。
そしてあのアホみたいな口癖「Look at me!」が、暗示の引き金だったなんてびっくり!
ルー大柴語をしゃべる変なおじさんだな、程度に考えていた英語の語りかけが重要なキーだったとは……。
日常会話にあまり出てこないけれど、口にしてもおかしくない言葉としての「Look at me!」
相手の視線を捉えるというのも、マインドコントロールには必要なことなのかもしれませんね。
薫が自死しようとしていたことも驚きでした。
子どもを持つ母親が死のうとするなんて、並大抵の覚悟ではできないことです。
それだけ、ニッポンノワールの存在を許せなかったのでしょう。
同時に、清春を心から信頼していたんだな、とわかりました。
自分の思いと息子を託せる男だと信じたからこそ、できた計画だったのでは?
碓氷班長は死んでしまっているので想像するしかないのですが、ふたりがぶつかりあいながら捜査をしている姿を見てみたかったです。
このドラマは、警察の陰謀、SFじみた設定、ちょっとくさいセリフなどなど、中2病的アイテムに彩られていましたが、メッセージは意外にストレートなものだったと思います。
人は自分の意志で変われる。
このメッセージは、清春の姿のみならず、半グレ集団を抜けて父親の介護をしていた喜志の姿や、克喜の姿を通して描かれていました。
そして、正義は暴走する。
マインドコントロールや肉体改造は別として、人格矯正については「ちょっとアリかも」と考えた人はいると思うんです。
何度も罪を犯してしまう人や、残虐な事件を起こす10代の少年少女が報道されるとやりきれない気持ちになりますよね。
そして、彼らが本当に更生できるのか、不安になることもあります。
また罪のない人が犠牲になるくらいなら、人格を矯正したほうがいい、と考えるのは、ある種の正義でしょう。
ただ、アルティメットプログラムとなると話は別です。
正義は簡単に暴走して、権力を持つものが人々を支配する結果になるということがよくわかりました。
人間が生きるよりどころとするべきなのは、思想や信条ではなくて、心の底から湧き出てくる他者への愛情なのかな、と感じるドラマでした。
衝撃のラスト、みなさんはどう感じたでしょうか?
しあわせなシーンからの突然の暴力に、とてもショックを受けました。
同時に、国家権力が清春の生存を許すわけがないとも思いましたよね。
ただ、清春は本当に死んだのでしょうか?
才門役の井浦新さんは、ご自身のTwitterで「才門の三度目の生還」について言及しています。
死んだと思っていた才門が生きていたわけですから、あるいは清春も……。
ドラマとしては、清春の死は必然ですけれども、「もしかしたら」という余地を残してくれたスタッフに感謝ですね。
新薬が適合したんだし、名越が生きてるなら清春が生きていたっていいじゃないですか。
さて、「すべての謎が解ける」として終了した本編ですが、動画配信サービスHuluでは、別視点のドラマが配信されることになりました。
現時点では、名越視点で事件の経過が語られる22分の「刑事Nの告白」がアップされています。
ああ~、そうだったんだ~と、あらためて事件を振り返ることができて面白かったです。
そして続いて「刑事Uの告白」として、碓氷薫が克喜にあてたメッセージが配信される予定です。
ずっと気になっていた、エンディングムービーもHuluで公開されています。
あの電話も、あの電話も、いまになって見直すと、感慨深いものがありますね……。
すべてをわかったうえで、本編を再視聴というのも楽しそうです。
全10話プラスおまけムービー、ありがとう。
お疲れさまでした!
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先ほど触れた『刑事Nの告白』も見れますよ。