今日は、いつもとは趣向を変えて、常日頃思っていることを書いてみたいと思います。
タイトルの通りなのですが、日本人は、「外国人」が日本語を上手に話すと、すぐ「日本語上手ですね」と言いますよね。
まあこれは日本に限らず、他の国でもそうなのかもしれませんが。
このフレーズに違和感を感じるんです。
というのも、夫はネパール人で、日本語を勉強し始めてから数年。
ある程度の日本語は話せます。
ちょっと話しただけで、ただ挨拶したくらいで、すぐ「日本語上手ですね」と言われます。
「またそれか」と私は毎回うんざり。
夫はなんとも思ってないみたいですが(笑)
その人、本当に外国人?
冒頭で「外国人」と「」付きで書いたのには理由があります。
見た目は外国人なのかもしれませんが、その人、本当に外国人なのでしょうか。
どういうことかと言いますと、日本人は、見た目が外国人の人が日本語を流暢に話しているのを聞くと「日本語上手ですね」と言います。
でもそれは「見た目が外国人」というだけですよね。
見た目だけで勝手に決めていますよね。
もしかしたら、その人は帰化して日本人かもしれません。
あるいは、その人は生まれも育ちも日本の人かもしれません。
つまり、見た目だけで決めつけてしまっているんです。
外国人ではなく、「見た目が外国人」なんです。
日本人に「日本語上手ですね」て言いますか?
日本出身、見た目が日本人の日本人に「日本語上手ですね」とは言いませんよね。
仮に言ったとしたら、ちょっと失礼な話じゃないですか。
「日本人なんだから当たり前じゃない」となりますよね。
同じで、「外国人」、つまり見た目が外国人の人でも、心の中で「自分は日本人」と思っている人も多いはず。
「自分は日本人」とまでは行かなくても、何十年も日本に住み、
ネイティブ並みの発音を持ち、ほぼ日本人と同じような日本語力、感覚を持っている人は多くいます。
そのような人たちに「日本語上手ですね」って、
日本人に「日本語上手ですね」と言っているのと同じではないですか?
私は、日本人の親から生まれましたが、アメリカで生まれ育ち、その後日本に引っ越しました。
自分は、日本人でもあり、アメリカ人でもあると思っています。
でも顔は思いっきり日本人です(笑)
欧米人っぽくも、ハーフっぽくもありません。
そんな私は、日本語を話してて「日本語上手ですね」とは言われたことありません。
だって思いっきり日本人顔だから(笑)
でも私、アメリカ出身のアメリカ人でもあるんですよ。
アメリカの国籍も持ってます。
アメリカで選挙権も持ってます。
それでも、「日本語上手ですね」とは言われません。
「見た目が日本人」だからです。
見た目で決めていいんですか?
私が飲食店でアルバイトしていた時、「外国人」が来店してきても、
いきなり英語で対応するようなことはしませんでした。
だってその人が外国人かどうかなんてわからないから。
青い目、金髪の人でも日本で生まれ育った「日本人」の可能性があります。
その人に英語で話しかけたら、その人は「日本語が話せない人」と決めつけていることになります。
その人に対して失礼ではないですか。
もちろんその人が日本語が話せないようで、困っていたら英語で対応します。
ある日、「外国人」のお客さんが来店してきました。
日本語で注文を受けていましたが、彼のわからない料理名があったので、それだけ英語で説明しました。
(その人が英語を話せると勝手に決めつけたわけではなく、彼らが英語で話しているのを聞きました)
すると彼は驚いたように「Wow! Your English is good!」(英語が上手ですね)と言ってきたのです。
「いやいやキミもか」と思ってしまいました。
「Thank you」と返しましたが、心の中では「Well, I am American」(まあ、私はアメリカ人なんですけど)と思っていました。
つまり、その人も私のことを日本人であり、アメリカ人ではない、と勝手に決めつけたのです。
なぜか?
私が英語ネイティブのように見えないから。
英語を教えるのも大事だけど
グローバル化が進んでいると言われているこの時代、
英語を勉強したり、教えたりするのも大事だけど、
他にも大事なことがあると思います。
それは、異文化コミュニケーションだと思います。
異文化コミュニケーション(いぶんかコミュニケーション 英語:Cross-cultural Communication)とは、「文化的背景を異にする存在同士のコミュニケーション」のことである。
引用:Wikipedia
異文化の人同士のコミュニケーションなので、必ずしも出身国の違う人同士とは限りませんが。
例えば年齢や職業の違う人同士のコミュニケーションも異文化コミュニケーションと言います。
この異文化コミュニケーションができないと、知らず知らずのうちに失礼なことを言っていたり、勘違いをしたりすることがあるでしょう。
私も大学で異文化コミュニケーションの授業をとったのですが、新しい発見がたくさんあり、考えさせられました。
英語を学んでも、この異文化コミュニケーションができていないと、異文化の人との交流は難しいのではないかと感じます。
とりあえずの「日本語上手ですね」はやめませんか?
ちょっと話しただけで「日本語上手ですね」という適当な会話はやめませんか?
毎回聞くたびに私はうんざりします。
夫は、この先10年、何十年日本に住み続けても毎回「日本語上手ですね」と言われるのでしょうか?
見た目だけではその人がなに人か、その人のアイデンティティはわかりません。
勝手に決めるのはやめましょう。
あなたはどう思いますか?
*誤解のないように言いますが、タイトルにもあるように「時には」失礼だと思います。
本当に日本語を勉強し始めたばかりで、「日本語上手ですね」と言ったら、相手にとっては褒め言葉になるでしょう。
ただ、それが「失礼」に当たるのか「褒め言葉」に当たるのかは見た目だけでは判断できない、ということです。