日本は現在「超高齢社会」と言われています。これからもっと高齢者は増えると予想され、介護の仕事は今後の社会に必要不可欠になっています。
ですが、介護士は社会的ニーズが高いにも関わらず4K(きつい、汚い、危険、給料安い)というイメージがあるのが現状です。
また、将来介護の仕事につきたいと考えている人にとっては、気にかかるのは給料の面ではないでしょうか。
私自身も介護福祉士をしていますので、参考にしていただきたい介護士の給料と手取り額、どこから給料が払われるのか、などについて紹介します。
目次
介護士の平均的な給料は?手取り額は
あらゆる求人サイトや、知人から聞いた介護士の給料の平均は22万円前後です。
毎月の合計が264万円で、ボーナスがプラスされて大体年収は340万円くらいの手取りになる計算です。
年収にすると、約340万円から360万円ということになります。
サラリーマンの平均年収が420万円ということを考えると、少ないですよね。
ですが、これは介護士の一般職の平均ですので、勤続年数がもっと多かったり、リーダーなどの役職についたりするともう少し給料は高くなります。
介護士の給料は、資格によって変わる
介護の仕事は全くの未経験の人でも就くことができますが、給料は資格を持っているかで変わります。
一番簡単にとれるのが、初任者研修(旧ヘルパー2級)です。
こちらは国家資格ではなく、受験資格もありません。平均的に4か月ほどで取得できます。
何も資格が無いよりは、持っていた方が給料に多少反映されます。
そしてさらに給料が上がるのが国家資格の介護福祉士です。大体のところで資格手当がもらえます。
経験が少なくても、若くても、この資格を持っているだけで給料は上がります。
ただ、国家資格なので取得するのは難しいです。3年の実務経験が必要となります。または、専門学校などの卒業で取得ができます。
またさらに給料が上がるのが、ケアマネージャーです。
こちらは国家資格ではありませんが、受験資格が国家資格の介護福祉士や社会福祉士を取得しているか、相談業務を5年以上経験している必要があり、合格率もとても低いです。
私の周りでも5回以上不合格だったという人も多いです。そのため高い壁ですが、もちろんその分給料は増えます。
介護士の給料は、勤務先によって変わる
同じ介護士でも、勤務する場所によって給料は変わります。
特別養護老人ホームなど入居型施設で働くと、給料の平均は高くなります。
24時間体制ですので夜勤やお正月出勤があり、その際には手当がつきます。基本給にその手当が上乗せされるので、日勤が多く残業も少ない訪問介護などに比べると平均が高くなります。
また、私の経験ですと株式会社と社会福祉法人によっても変わります。
法人ですと利益追求型ではないため、業績による給料の変動はありませんが、手当の水準が低く、残業代があまり出ないところもあります。
役職についても、手当もあまり多くはありません。ですが、介護のスキルは高い人が多く、資格取得のための勉強会や介護の研修などは充実しているため、スキルアップはしやすいです。介護士として上を目指せます。
株式会社の場合は利益を追求するため、月の売り上げなどによって給料が多くなります。
残業代もしっかり出るので、働いた分もらえます。ですが、会社なのでご利用者はお客様という認識になり、介護のスキルよりも礼儀や言葉遣いなどをメインにした研修などが多いです。
資格のない人が多く、介護士としてのスキルは低い人が多いようにも感じます。
介護士の給料、仕事に見合っている?
介護士は、仕事の大変さに比べると、給料が安いと感じながら働いている人は多いです。
4Kにもある通り、おむつ交換やトイレ介助で汚い。感染症にかかるリスクも高く、人を相手にする仕事ですから命を預かっているため危険も多いです。
そして夜勤は長く、介助で腰を痛めやすく、叩かれたり怒鳴られたりもします。なにより体力勝負の仕事できついです。
それなのに給料はこの程度か、と感じる人は多いです。私もそうです。
ですが、お金では得られないような、やりがいがある仕事です。仕事中に笑わないことなんてないくらいに楽しいことがたくさんあります。
高齢者、つまり人生の先輩たちを相手に仕事をするのでたくさんのことを教えてもらえます。私の場合は肉じゃがの作り方、子供のあやし方、出産の大変さ、節約の方法などを教えてもらえました。
そのような部分があるからこそ、給料に見合わなくても続ける人が多い仕事です。
介護士の給料はどこから出ている?
ところで、介護士の給料がどこから出ているのか、気になりませんか?
介護士の給料というのは、その介護士が所属している介護事業所から出ているのです。
じゃあ介護事業所はどこからそのお金を得ているのかというと、当然利用者からですが、利用者が払うのはごく一部で、それ以外は保険料や税金からお金が支払われているのです。
しかし、借金が多い日本、これから国が介護事業所に払うお金が少なくなることも考えられます。つまり、介護士の給料が減るということです。
ただでさえ介護士の給料はそんなに高くないのに、これじゃ介護士の数は減るし誰もやりたがらなくなってしまいますよね・・・
日本は、介護業界は、どうなってしまうのでしょうか。
介護士の給料の手取りとどこから来るか:まとめ
介護の仕事は、一言でいうとやはり大変です。給料も高いわけではありません。
ですので、男の人の場合ですとやはり結婚を機に転職する人もいます。ですが、やりがいのある楽しい仕事でもあります。
資格さえあれば、一度やめてもすぐに戻れる仕事でもあります。これから必要とされる仕事です。
続けるほど給料もやりがいも増える仕事だと思っています。給料も資格や働き方、勤務先などで違ってきますので、自分の満足いくところを目指して働いてみてください。