押し花というジャンルを軸に、既成概念にとらわれない作品で進化し続けているフラワーアーティストの相壁琢人(あいかべ・たくと)さん。
今回は相壁琢人さんご自身にまつわることや作品のこと、そしてその作品の特徴について情報をまとめました。
少しでも相壁琢人さんの魅力が伝わる記事になれば嬉しいです!
目次
フラワーアーティスト・相壁琢人って誰?
生年月日:1985年
出身地:東京都板橋区
身長:不明
血液型:不明
フラワーアーティストとして活動中の相壁琢人さん。
現在はカメラマンの田中生(たなか・いくる)さんと一緒に「ahi.」というユニットを組み、さまざまなアート作品を生み出しています。
もともと都内にある花市場の仲卸業をご両親が営んでいた関係で、幼い頃から花は身近な存在だったそう。
しかし学生時代はとくに花と触れ合うこともなくバンド活動に取り組んでいたのですが、音楽を続けるために親の仕事を手伝うように。
ある日ダリアを運んでいたときにダンボールごと落としてしまい、バラバラになった姿を見て「花も生命なんだ」と改めて感じ、その時から花と向き合うことに決めたと言います。
そして仲卸で働きながら夜間に花の専門学校へ通い資格を取得。
2008年〜2010年の間は親元の仲卸業を手伝っていたのですが、資格を取得したころにバンドも解散。
さらに元々履歴書を送っていた東信さんから採用の連絡が入り、オートクチュール花屋の「ジャルダン・デ・フルール」で働けることとなり仲卸業を退職。
2015年からは独立し、フラワーアーティストとして制作活動をおこなっています。
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相壁琢人の作品をご紹介!
では早速、相壁琢人さんの作品をご紹介していきましょう!
まず相壁琢人さんといえば押し花。
透明アクリル板のフレームで押し花を挟み、美しいアートとして完成させています。
でも “押し花” ってもうちょっと枯れたような、茶色っぽくてくすんだ色合いのモノ……というイメージがありませんか?
しかし相壁琢人さんの押し花アートはご覧の通りカラフル!
なぜカラフルな色を保っているかといいますと、花びらを乾かすためにアイロンを使っているからなんだとか。
色味の違いは花びらから水分が完全に消えるまでの時間によって変わるそうで、アイロンのように短時間で花の水分を飛ばす手法を使えば、このようにカラフルな状態で押し花へと変化するんですね。
なるほど、ちょっと勉強になりました!
また相壁琢人さんは一般的にある「押し花=しおり」というイメージに捉われず、いろんな可能性があるのでは?と考え、作品に落とし込んでいるそうです。
もともと自分の提示できる手法や世界観は何か?と考えたときに、師事していた東信さんがやっていない「押し花」に可能性を見出したと言いますから、現在のような方向性になったのも頷けますね。
押し花アートが初お目見えしたのは2016年3月2日。
渋谷のライブハウス「WWW」で、初個展「Paradaise of Shadow」が開催されました。
同年12月24日には渋谷の街中にゲリラ的に押し花アートが現れる、移動型展示「デラべっぴん、おちてたよ」を開催。
その後も2017年4月に「無彩色の痛点」、2020年2月には「Adam et Eve」などの展示会を行なっています。
こちらは「無彩色の痛点A」。
水槽の花に絵の具を垂らし、一瞬の動きを捉えた作品です。
「無彩色の痛点B」。
花を燃やすことで、選ばれなかったために捨てられてしまう花たちへの葬いを行なっている作品。
「Adam et Eve」-Eve-《作品説明》No12 「善悪の知識の樹」
花が朽ちるまで変化しつづけ命を燃やす様を描いた作品です。
相壁琢人の展示以外の作品って?
相壁琢人さんは、アート作品の展示以外にもさまざまなお仕事をされています。
もともとバンド活動をされていたこともあり、ミュージシャンとのお仕事も多数。
MVのフラワーディレクションやアルバムジャケットのフラワーディレクション、ライブのステージを飾る装花など、その内容は多岐にわたっています。
こちらはアニメ「東京喰種 トーキョーグールー :re」のOPとなったCö shu Nie の「 asphyxia」MV。
また相壁琢人さんはアニメ「東京喰種 トーキョーグールー :re」の世界観にインスパイアされ、こちらの「業花」という作品も作っていらっしゃいます。
じつはこちらの「業花」、剣山や花器ではなく生肉に花を生けた作品。
この作品については4CREATOESのインタビューにて以下のように語っておられました。
「花は生命を食べない。一方、人は生命を保つために生命を食べる。その思案を込めた」
この他にも一般に向けたワークショップなども定期的に開催されていて、アートという世界だけではなく日常的に花に触れる生活というものを提案されています。
ワークショップでは押し花フレームやハーバリウムの作り方を教えてくれるそうですよ!
相壁琢人・フラワーアーティストとしての特徴は?
相壁琢人さんは、インタビューなどでたびたび「花が “朽ちる”」という表現をされています。
“枯れる” という表現だとまだ花が生きているように思ってしまうため、花の最期まで表現したような “朽ちる” を用いているのだとか。
こちらは過去に師事していた東信さんの信条「殺して生かす」という言葉を相壁琢人さんが大切にしつつ、自分自身の表現で花と向き合っている現れではないでしょうか。
また過去にバンド活動をしていたこともあり、音楽と花が密接に関係している表現を好むようですね。
こちらはアート作品ではないですが、音楽を聞かせた花と聞かせなかった花の成長速度についての実験なども行なっていらっしゃいますよ。
「相壁琢人(フラワーアーティスト)の作品や特徴」まとめ
今回はフラワーアーティストの相壁琢人さんについて情報をまとめました
- フラワーアーティストの東信さんに師事
- 押し花作品で話題
- 花の命が生まれてから朽ちるまでを表現するのが特徴
押し花アートを制作する際、鮮やかな色を保つために試行錯誤されたといいますが、他のインタビューでは花の鮮やかな部分だけではないところも見て欲しいと話していらっしゃいました。
そのことが花が “朽ちる” まで展示し続ける作品にも現れているようですね。
引き続き相壁琢人さんの活動を楽しみにしていきましょう!