今の時代、そしてこれから社会的に必要とされている仕事である介護職。
「介護職」と言っても仕事内容は様々です。
特養やデイサービス、ホームヘルパーなどの高齢者の介護やケアマネージャー、障碍者の支援や介護など種類がたくさんあります。
その中で特養について、特養の仕事の辛い・大変なところ、そして楽しいところを5年働いた経験を踏まえてご紹介します。
目次
特養の仕事内容は?
特養の仕事内容を簡単に説明します。特養は24時間365日ご利用者がいますので、昼夜を問わず介護を行います。夜勤はもちろん、早番や遅番もあります。
介護度の高い方が多いため、おむつ交換や入浴介助、移乗介助、着脱介助などたくさんの直接介助を行います。そのため技術が必要となります。
また、委員会などもありご利用者の排泄の時間やリスクの削減、食事形態なども考えるため観察力も必要になります。
特養の仕事の辛いところ
特養の仕事の辛いところその1:夜勤
特養で大変だった、辛かったことで一番に思い浮かぶのは夜勤です。
夜勤は人員体制が日勤よりも少ないです。そのため、仕事量は必然的に多くなります。
私が働いていたところでは1フロアに1人しか夜勤者がいなかったため、1人で30人のご利用者を見る必要がありました。
フロアによってしっかりしている方が多いフロアや寝たきりの方が多いフロアなどあり、しっかりしている方が多いフロアでは要望が多く大変、寝たきりの方が多いフロアではおむつ交換の回数や人数が多く大変などありました。
そして、夜間は寝ているから大変ではないのではと思うかもしれませんが、夜間せん妄や徘徊で動き回る方は意外と多いです。そのため、夜間のほうが転倒事故は多いです。
起き上がったことを知らせるコールやトイレに行きたいコールなど多い時は何件も重なります。一時間廊下を走り回ったこともあります。ですが、全く鳴らない日もあります。もはやその日の運ですね。
また、夜勤は看護師がいません。そのため、ご利用者の体調が急変した際には自分が対応しなくてはなりません。
看護師への連絡や対応を迅速に行わなければなりません。夜間や朝方に急変することも少なくありません。そのため定時の見回りが欠かせません。
なにより、夜勤は眠いです。3交代制のところもありますが、多くは2交代制で夜勤は17時から10時など16~17時間勤務が多いと思います。
仮眠は2時間ありますが、きっちり2時間眠れる人は少ないと思います。
そのため朝食の時間辺りに眠気のピークがやってきます。眠気との闘いがとにかく辛かったです。
特養の仕事の辛いところその2:看取り
特養は看取りも行っているところがほとんどです。私が働いていたところは、看取りケアに力をいれていました。
看取りは医療行為や延命処置をせず、施設で最期の時を迎えて頂きます。ついこの間までお元気だった方が徐々に元気がなくなり、食べたり飲んだりできなくなっていくのを見るのは辛いです。
好きな音楽を流したり、頻繁に声をかけに行ったりできる限りのことはしますが、やはり自分たちにできることは少ないと感じてしまうこともあります。
息を引き取る瞬間を看取ったこともあります。人の死に慣れることはないので毎回悲しい、辛いと感じました。
特養の仕事の辛いところその3:腰痛
特養では、直接介助の回数がとにかく多いです。腰痛になる人は多く、ほとんどのスタッフが腰痛ベルトを着けていました。また、整体に通っているスタッフも多くいました。
介護の学校などで腰痛防止の介助の仕方などを習ったりしますが、理想と現実は違っており、とにかく時間に追われていることが多く、次の業務がつまってしまうため迅速にたくさんの介助をしなくてはなりません。
できるだけ気をつけますが、長い時間同じ姿勢になることや楽なやり方より早くできる方法を優先してしまいがちです。
特養の仕事の楽しいところ
特養の仕事の楽しいところその1:感謝されるとき
よく、介護の広告などでありがとうと言われるのが嬉しいなどと聞きますが、本当にそうです。
大変なことや辛いこともありますが、その後に「ありがとね」「助かったよ」と言ってもらえるだけでやってよかったと思えます。
相手も人の仕事ですので、やった分だけ返ってくることも多いです。
出勤すると「今日はあんたがいるんだね!よかった」と声をかけてもらった時や、夜勤の時に「あなたが夜勤担当なの?安心だ」と言われたりすると頑張れます。
夜勤中に「さっきはありがとね」とお菓子を持ってきてくれた方もいました。具合が悪くて食欲のない方にご飯でなく小さなおにぎりを作って持って行った際にも「あんたのおむすびの味が忘れられないの。本当に美味しかった」と何年も言ってくれた方もいました。
また、ご家族にも「あなたに頼むと安心」と任せてくださったり、「いつもありがとう」と言っていただいたりすると嬉しくなります。
特養の仕事の楽しいところその2:日々のコミュニケーション
普段の何気ない会話も楽しさの一つです。
昔のことは覚えている方が多いので、昔はどうだったかなど教えてくれます。そしてみなさん人生の先輩ですので子育ての喜びや悩み、結婚や出産、仕事のことなどたくさん勉強になることを教えてくれます。
また、私が一人暮らしを始めたばかりの頃は、肉じゃがの作り方なども教えてくれました。
ユーモアのある方が多く、毎日仕事のときは大笑いしていました。
特養の仕事の楽しいところその3:可愛がってくれる
働いているスタッフはご利用者のお孫さんやお子さんと同じ世代になるので、とにかく可愛がってくれます。何かしてあげたいと思ってくださる方も多いです。
「風邪ひいた?」「無理してない?」「頑張り過ぎちゃだめよ」と本当に家族のように声をかけてくれます。
ご自分のお孫さんと間違える方も時にはいますが、それはそれで嬉しいことかなと思います。
特養の仕事の楽しいところその4:スタッフの連携
特養では、特にスタッフ間のコミュニケーションやフォローもとても重要です。
新人の時には先輩がたくさんフォローしてくれて助けられました。同じ日に勤務に入っているスタッフ同士で助け合いながら仕事をしているので、必然的にスタッフ同士はみんな仲が良かったです。
みんなで助け合って、声を掛け合って、時には笑い合いながら働けるのは特養ならではの楽しい環境だと思います。
特養の仕事の辛い・楽しいところ:まとめ
人対人の仕事ですので大変なことももちろん多いのですが、昔を振り返ると大変だったことより楽しかったことのほうが思い出はたくさんあります。
とにかくやりがいに満ち溢れた仕事ではあります。たくさんの人と関わり、一人ひとりの人生を見ること、関わることのできるのが特養での仕事だと思います。
でも、介護職は楽しいことだけではやっていけない・・・現実問題、給料はどうなのか?ということについてまとめました↑