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丸餅と角餅の違いは?味や地域の違いを調べてみた

投稿日:2019-10-26 更新日:

丸餅と角餅の違いは?味や地域の違い

お正月といえば「お餅」。お雑煮に欠かせないお餅ですが、スーパーに行くと丸い餅(丸餅)と四角い餅(角餅)の二種類がありますよね。

なぜ丸餅と角餅の違いはあるのでしょうか?用途が違ったり、味が違ったりするのでしょうか?

今回は、ちょっと気になるこの疑問について見てみることにしましょう。

丸餅と角餅は地域で違う

丸餅と角餅の分布を調べてみると、石川県〜岐阜県〜三重県のラインを境に東西に分かれていて、東日本側は「角餅」、西日本側は「丸餅」を使っています。

もともと、全国的に「丸餅」が使われていたのですが、江戸時代に中心地・江戸で板状にした「のし餅」を切った四角い「角餅」が使われるようになり、江戸から関東へ、関東から東日本へと「角餅」が広まっていきました。

江戸で「角餅」が使われるようになった理由については、多くの人が住んでいたため、お正月などは大量にお餅を作る必要があり、一つずつ手作業で丸めて手間がかかる「丸餅」ではなく、「のし餅」を切るだけの「角餅」になったと言われています。

気になる「丸餅」と「角餅」の味ですが、原料となるもち米や作り方は変わらないので、味も変わりません。
 

丸餅と角餅、形の由来は?

お餅は、お祝い事や特別な日に神様に捧げる神聖な食べ物でした。

満月に五穀豊穣を祈るなど、丸や円は古来より縁起が良い形とされていたことから、丸い形にお餅を丸めて神様にお供えしていたのです。

こうして神様にお供えしたお餅を、その年に収穫した里芋やにんじん、大根などと一緒に、新年最初に汲んだ水(若水)で煮込み、元旦に食べたのが「お雑煮」の始まりと言われています。
 

東日本のお雑煮(角餅)

東日本を中心にお雑煮に入れるお餅が「丸餅」から「角餅」に変わったのは、大量に作りやすいということだけではありません。

武家文化が色濃かった東日本では縁起を担ぎ、「敵をのす」という意味で「のし餅」を切った「角餅」をお雑煮に入れるようになりました。ちなみにお雑煮の汁も「みそをつける」という言葉があるよう味噌仕立てを嫌い、すまし汁が多くなっています。

お雑煮に入れる具についても、敵の大将の首を取って名乗りをあげられるように、小松菜や鶏肉(菜鶏→名取り)を入れる習慣があります。
 

西日本のお雑煮(丸餅)

そもそもお雑煮は京都で生まれた食べ物で、西日本のお雑煮は京雑煮がベースになっています。

京雑煮は昆布だしで丸もちをやわらかく煮て、白みそで仕立てることが多く、具は里いもや人参・大根に加えて「人の頭(かしら)になれるように」との意味で、頭芋(かしらいも)を入れます。

「角が立たずに円満に過ごせますように」ということで、お雑煮に入れるお餅は「丸餅」。具も全て丸く輪切りにし、面取りをして角は全て落とします。
 

お正月の豆知識

お正月の三が日にお雑煮やおせちを食べるときには「祝い箸」という両方の先が細くなったお箸を使います。
 
祝い箸は「柳箸(やなぎばし)」とも言われますが、年の初めのお祝いの日に箸が折れては縁起が悪いということで、しなやかで折れにくい柳の木でできています。
 
祝い箸の両端の先っぽが細くなっているのには意味があり、一方は神様(年神様)が使い、反対側は人間が使うように作られています。取り分ける用と食べる用というわけではないので、お間違えなく。
 
次は「鏡餅」
 
お正月に飾る鏡餅は、年神様へのお供えであると同時に、正月期間中の年神様の居場所となります。そのため、年神様におかえりいただく「松の内(1月7日もしくは15日)」が明けるまでは食べないようにします。
 
松の内が終わると鏡開き(1月11日もしくは15日)をして年神様を見送ります。鏡開きは、年神様の魂が宿った鏡餅を食べることで家族の無病息災を願う習わしです。
 
鏡餅を割るときには、切腹を想像させるということで包丁を使うのは禁物で、手や木槌などで割って使いましょう。


 

丸餅と角餅の違い まとめ

もともと丸かったお餅が、縁起担ぎや作業効率によって「丸餅」と「角餅」に分かれていきました。

戦いに勝って出世を願う東日本の「角餅文化」と、古来からの風習を守り円満に過ごすことを願う「丸餅文化」

地域の文化の違いが現代にも伝わっているのは非常に興味深いですね。

これまで何気なく食べてきたお餅ですが、いろんな歴史が込められていることを知れば、また違った味わいがありそうです。

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