このページでは『ひとりキャンプで食って寝る』第11話(2019年12月27日放送)のあらすじ(ネタバレ注意)や感想について紹介。
「ひとりキャンプで食って寝る」は、2019年10月28日スタートのテレビ東京系のドラマです。
「ひとりでキャンプに行き、食べたいものを食べて、寝る」という贅沢な時間の過ごし方。キャンプをしながら「缶詰料理」に幸せを見出す男・健人と、「獲って食べる」ことに心を奪われた女・七子、二人の物語。
【キャスト】奇数話:大木健人(三浦貴大)/偶数話:七子(夏帆)
『ひとりキャンプで食って寝る』第11話のあらすじ
清流でひとり、牡蠣のおつまみ缶詰を開ける健人(三浦貴大)です。
すでにしっかり味のついた牡蠣を油で炒めて、バゲットにのせてほうばる!
そこにキンキンに冷えたビールを流し込む!
ついつい2本目に手がのびますが、まだ登山の途中だからがまんがまん。
健人は、山登りに来ているようです。
途中で、健人はひとりのおじいさん(仲本工事)に出会いました。
大きな荷物を置いて座り込んでいます。
無視していくのもはばかられ、声をかけると、おじいさんは郷田と名乗りました。
「お前さん、前を歩いてくれないか?俺はあとからついていくから」
健人が荷物を持ってあげると、ズシリと重く、これはおじいさんひとりではつらい山行です。
えっほえっほと登山道を進むうち、郷田さんが「腹が減った!」と言い出しました。
休憩してお昼ごはん。
郷田さんは、五目ごはんの缶詰をあたためて、健人にくれました。
(山入ってひとり缶詰食って……。40年後の俺かなぁ)
話を聞くと、10歳からキャンプをしていた郷田さんは御年80歳。
山好きの奥様とよく登山をしていたそうです。
缶詰のおいしさは、奥様が教えてくれたのだとか。
今日は、奥様の命日で山へ登りに来たそうです。
途中でへばってしまった郷田さんをはげましながらついに山頂へ!
郷田さんは眼下の絶景を前に、涙を流しながら亡き妻に野草の花束を捧げました。
しんみりする健人に、郷田さんがちょっとしたお説教を。
「針葉樹より広葉樹を選べ。煤も少ないし火持ちもいい。人生も同じだ。目先の楽に惑わされると人生の目標を失うぞ。女も同じだ。広葉樹を選べよ」
健人は神妙な面持ちで聞き入っています。
「君はいい青年だ。俺の若いころにそっくりだ」
「郷田さんも、俺にそっくりですよ」
そういって健人は微笑みました。
郷田さんは、健人にお礼をいうと、そろそろひとりの時間に戻ろうと提案しました。
「君だって、ひとりで山に来る理由があるだろう?」
そう!健人の目的は、登山のあとの缶詰!
今日は、北海道産のほっき貝の缶詰です。
バターで炒めて青ネギを散らして、食す!
ウニとアワビのいちご煮の缶詰に、ほぐし身のカニ缶を投入。
塩むすびを入れて、乾燥わかめを散らしてぐつぐつ煮込みます。
「んー!んん!あー!」
健人は声もなく、ビールと雑炊を交互に食して夕ご飯を堪能。
健人が山へ来た理由はもうひとつありました。
理恵子からの手紙を開封するためです。
「あなたには私が決して踏み込めない宇宙があった。さようなら」
テントで眠った健人は、夢を見ました。
そして、ふと目をさますと外に人の気配が。
女性の声で、「星に願いを」を歌う声がかすかに聞こえます。
しかし、外へ出てみても誰もいません。
健人はぼんやりと熾火に枝を足し、また静かな焚火を続けるのでした。
翌朝は、白飯にさんまのかば焼き缶詰をのっけた朝ごはん。
土の匂い。木々や生き物のうごめく音。
混じりっけなしの澄んだ空気のなかで、食べたい缶詰を食べる。
これが俺のしあわせ。
生きるのだ。
健人は理恵子からの手紙を焚火にくべ、山を降りていきました。
(了)
『ひとりキャンプで食って寝る』第11話の感想
最終回ともあって、缶詰ラインナップが豪華でしたね!
牡蠣、オイルサーディン、ほっき貝、ウニとアワビのいちご煮、カニ、さんまのかば焼き。
タイトル通りの海鮮尽くし!
それを海から遠く離れた山のてっぺんで食すとは、なかなか粋です。
ほっき貝のバター焼きは本当においしそう。
これはビールが進みます。
カニ雑炊もいいですね~。
いちご煮で煮るところが豪華です。
塩むすびを雑炊にするというのも、山食の定番。
ああ、これはいつにも増して実践してみたいキャンプ飯です。
シリーズを通して、ちらちらと出ていた元カノの話もこれで決着がつきました。
理恵子さん、同棲中のお部屋を出ていっていまはどうしているのでしょうか。
「宇宙」という単語は、以前にも聞いたことがありますね。
健人は、自分の小さなソロテントのなかに、自分だけの宇宙を見出していました。
ソロキャンプは、ひとりの世界。
孤独を楽しむ世界です。
一見、寂しく見えるかもしれないけれど、けしてそうではない。
ソロキャンパーは自分だけの宇宙を満喫しているんですね。
ときどき、その宇宙はほかの人の宇宙とも交じり合います。
健人が出会ったさまざまな人たち、思い出しますね。
そのなかでも今回の郷田さんは特別な感じがします。
健人が親近感を持ち、もう少し一緒にいたいなと思った瞬間に、ふっと手を放すところが、すごくいいですね。
そっくりだけど、俺たちは別々の宇宙を持った人間だぞ、といってくれたみたいです。
みんな、ひとりで山に来る理由がある。
声高に語る必要はないけれど、それぞれ尊重して大事にしたいものです。
理恵子さんは、そういうの許せなかったんですね。
恋人のすべてを共有したい人ってたまにいますけれど、そんなタイプだったのでしょうか。
残念ですが、これで健人も吹っ切れた様子。
郷田さんみたいに、広葉樹タイプの伴侶が見つかるかな……。
明け方、テントの外で歌を歌っていた人影は誰だったのでしょうか。
健人の未練と、山の不思議が見せた理恵子の幻なのか?
ふと、郷田さんの奥さんが山を楽しんでいるのかな、と思ったりしました。
山は不思議なことが起こりますからね……。
さて、舞台となったのは、近年SNSで紹介されて有名になった「陣馬形山キャンプ場」です。
「天空のキャンプ場」と呼ばれ、地元の人に愛されてきたキャンプ場なのですが、来場者が増えていろいろと問題もあるようです。
管理人さんがいないキャンプ場なので、ひとりひとりのマナーがとっても大事!
ゴミの持ち帰りはもちろん、合成洗剤も使えませんので、いく予定の人は気をつけてくださいね。
食器や調理器具の汚れはパンでぬぐったり、最後にお茶を飲んだりして、ペーパーで拭き取るのがおすすめです。
どうしても洗いたい人は重曹を使うといいと思います。
自然あってのキャンプなので、多少の不便はがまんしましょう!
天空のキャンプ場、見晴らしは格別です。
健人が見ていた夜景も、風情がありますね。
日によっては雲海も見えるそうですよ。
最後、山を降りていく健人がカメラの方をじっと見て、それから黙っていってしまいます。
なんだか、健人の存在自体が夢か幻だったような気持ちになりました。
いやしかし、郷田さんの荷物の中身はなんだったんでしょうね。
ちょっと昔風のテントだったから重かったのかな?
なかなか含蓄のあるお言葉をいただきました。
ドラマを観終わり、テロップを確認してビビりましたが、ドリフターズの仲本工事さんだったんですね~。
印象が全然ちがってびっくり!でも面影があります。
いい味出てますね。
健人も缶詰料理ありがとう!
キャンプの楽しみはひとそれぞれ、気負わずにソロキャンプを楽しめばいいよ、というメッセージをもらったような気がします。
またどこかのキャンプ場で会えるといいですね。