かつおのたたきは高知の郷土料理、というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?
あまり食べたことないという方や、苦手という方もいらっしゃると思います。
今回はかつおのたたきについてより知っていただきたく、
かつおのたたきの旬や名前の由来、英語ではなんていうか、栄養価やカロリー、体にいいのかどうか、等についてご紹介していきます。
目次
そもそもかつおのたたきってどんな料理?
かつおのたたきという料理は新鮮なかつおを鱗を落として5枚におろし、表面を藁でさっとあぶり、
スライスして、薬味をたっぷり添えて味わう漁師料理です。
実は、かつおは傷みやすい魚です。
そのため、調理法や魚の状態によっては生臭いものがあり薬味を大量にのせたり、それでも生臭いものがあったり、、、
それが「かつおのたたきは苦手」と言われてしまう原因だったりもします。
一般的なかつおのたたきはネギやポン酢などの薬味をたくさんのせて食べますが
本場とされる高知では塩とスライスした生にんにくでいただく、「塩たたき」という食べ方があります。
高知では新鮮なかつおが手に入るため、この「塩たたき」が可能なのです。
絶品ですので、まだ食べたことがない方は一度試していただきたいです。
かつおのたたきの名前の由来
たたきの名前の由来は、まだ塩やタレなどの調味料が高価だった頃、漁師の家のおばあちゃん達が
自分の手にタレや塩をすりこんで叩いて味をなじませたこととされています。
少ない調味料で味を染み込ませる知恵だったんですね。
ここから包丁や手で叩いて作ることを「たたき」というようになったそうです。
藁で焼くことは、「藁焼き」というそうです。
藁には少量の油分が含まれていて、燃やすと強い火力が得られます。
強い火で魚の表面を焼くことにより、硬い皮を柔らかくし、同時に生臭さを消します。
「藁で焼くこと」と「たたき」は別のことだったんですね。
では、どうして藁焼きをやる様になったか、と言いますと、いくつか説があります。
- もともと漁師たちの間で行われていたという説
- 皮の下にいる寄生虫を殺すために焼いたという説
- 西洋料理のビフテキの調理法をカツオに応用したという説
などなど。
その中でも、高知らしいなと思う説をご紹介します。
それは、「土佐藩藩主となった山内一豊が魚の生食を禁止したから」という説です。
関ヶ原後に土佐藩主に任じられて高知に来た山内一豊が、漁師達がかつおを生で食べているのを見て
食中毒を防ぐために魚の生食を禁止するお触れを出したそうです。
そのため漁師達は魚を焼いていましたが、生魚の味が忘れられない。
そこで、表面を火で炙り、内部を生の状態でたべたところ「これは美味い」ということで、
藁焼きで食べるようになったとか表面上は「焼き魚です」ということ。
ニンニクで食べるのは殺菌効果を期待して、だそうですよ。
高知の人の食に対する思いが現れた面白い説だと思います。
かつおのたたきは英語で何という?
かつおのたたきは、英語ではSeared bonitoといいます。
Searedは「外側をあぶったもの」で、Bonitoが「かつお」という意味です。
やはり藁焼きが特徴的ですからこのような英語訳になったんだと思いますが、
かつおのたたきの由来を考えると、ちょっと違う気もしますね。
かつおのたたきの栄養!体にいい?
かつおのたたきの栄養で特徴的なのは、ビタミンB12とナイアシンが豊富なことです。
ほかにもビタミンB6、ビタミンD、ビタミンKも豊富です。
以下に、どういう作用が期待できるかを簡単に説明しましょう。
ビタミンB12は、良い血液を作るのに働きます。
ナイアシンは皮膚や粘膜の健康維持に働きます。ビタミンB6も皮膚のバリア機能や免疫機能を強くします。
ビタミンDは丈夫な骨を作る助けになります。
ビタミンKは血管を健康な状態にするのに役立ちます。
つまり、皮膚や粘膜、血管、骨を健康な状態にする栄養が豊富ということです。
もちろん、かつおは、魚に含まれる不飽和脂肪酸の「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と
「EPA(エイコサペンエン酸)」も含まれており、その含有量は魚のなかでもトップクラスです。
DHAは脳の働きを良くし、EPAは血栓予防に働きます。
タンパク質も豊富ですよ。からだにいい栄養素がいっぱいですね。
かつおのたたきのカロリー数は?
かつおのたたきは1人前6切れ(184g)で、155kcalです。
ちなみに、ごはん一膳(40g)で235kcalです。
かつおのたたきって低カロリーですね。
かつおのたたきの旬は?
かつおのたたきの旬ですが、年に2回もあります。
理由ですが、かつおは春になると高知県沖の黒潮を北上し、秋になると北から南に戻ります。
このことから春のかつおをを初かつお、秋のかつおを戻りかつおと呼んでいます。
初かつおは赤身がおおくてさっぱりとした味わいで、江戸時代には縁起の良いものとされていました。
戻りかつおはえさをたっぷり食べており、春よりも肥えています。
脂がのって濃厚な味わいで、たたきでも刺身でもおいしいです。
年に二回も違った楽しみ方ができるなんて、素敵な魚です。
ちなみに初かつおのシーズンは4月5月、戻りかつおのシーズンは8月中旬から9月下旬です。
かつおのたたき:まとめ
いかがだったでしょうか。
ちょっとかつおのたたきが気になってきたのではないでしょうか?
ぜひともご賞味ください!
絶対おいしいかつおのたたきが食べたい!と思いましたら、高知にもぜひ行ってみてください!